粉瘤手術跡がケロイドの時とは?

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ここでは、「粉瘤手術跡がケロイドの時」
についてお話します。

 

粉瘤は、皮膚にできる良性の腫瘍です。

 

放置しておくとどんどん
大きくなっていく事もあり、
外科手術が必要となります。

 

摘出手術は、大きさにもよりますが
一般的には外来で30分前後で行われます。

 

そんな粉瘤の手術を受けた場合、
気になるのが手術跡ではないでしょうか?

 

特に女性は、ケロイドが出来てしまうと
悲しいという方もいるでしょう。

 

そこで今回は、粉瘤の手術跡と
ケロイドについて紹介します。

 

粉瘤の手術後は跡が残るか

 

粉瘤の摘出手術の直後は、
傷跡が目立ちます。

 

傷の治りを良くする軟膏を塗り、
湿潤療法などで傷を治していくのです。

 

しかし、粉瘤は手術的に摘出するものなので、
全く傷跡が残らないというのはあり得ません。

 

あくまでも、傷跡が目立たなくなる治療
という事は覚えておきましょう。

 

手術後の傷跡1.肥厚性瘢痕

 

瘢痕組織とは、
破壊された組織同士をくっつける
ボンドのようなものです。

 

治ったように見えた傷が、
1〜2ヶ月経ちミミズ腫れのように
盛り上がってきます。

 

これを肥厚性瘢痕と呼びます。

 

体質などが原因で瘢痕組織が過剰に
生成された結果、皮膚表面に
あふれてきてしまったものと考えられています。

 

肥厚性瘢痕は、ある程度は
数ヶ月〜数年単位で自然と吸収され、
平らに白く落ち着きます。

 

落ち着くと、他の正常な皮膚との
境目も曖昧になり、
傷跡は気にならなくなります。

 

手術後の傷跡2.ケロイド

 

稀に、ミミズ腫れのような傷跡が
いつまで経っても消えない事があります。

 

むしろ正常な皮膚を侵食してまで、
範囲を広げていく場合があります。

 

このような、増殖する傷跡のことを
ケロイドと呼びます。

 

つまり、ケロイドは傷を治そうと
活性化した瘢痕組織が生産コントロールを失い、

 

無制限かつ無軌道的に
増え続ける状態のことを言うのです。

 

傷跡の治療法

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ケロイドは、かゆみを伴います。

 

かゆみは、身体が温まる睡眠中などに
ピークに達しますが、無意識に

 

掻いてしまうと化膿する事が
あるので注意が必要です。

 

しかし、ケロイドの特効薬はありません。

 

現代医療では、レスタミン軟膏
などの痒み止めで対処します。

 

治療法としては、

 

・手術療法

 

…ケロイドをまるごと切除し、
周囲の皮膚を縫合する。

 

広範囲であれば皮膚移植を
行いながら再発を防ぎます。

 

しかし、この手術で生じた縫合の傷が、
また別のケロイドになる可能性はあります。

 

・放射線療法

 

…電子線を数回から数十回に分けて照射します。

 

初期のケロイドには有効ですが、
できてから時間の経ったものには
効きが良くありません。

 

また後遺症として、皮膚障害や
色素沈着が起こる恐れがあります。

 

・ステロイド注射

 

…ステロイドをケロイドに直接注射します。

 

効果は高いですが、十数回〜数十回
繰り返さなければならず、
強い痛みが伴います。

 

まれに皮膚が薄く
凹んでしまう副作用もあります。

 

注射の他に、ステロイド入りの
軟膏や絆創膏もあります。

 

・圧迫療法

 

…ケロイドをスポンジと
絆創膏で強く圧迫します。

 

手軽さの割に効果は高いですが、
数ヶ月〜半年の間続ける必要があります。

 

テープを使うので、
皮膚の弱い人は注意が必要です。

 

・内服薬

 

…リザベンという薬が現在
唯一効果のある内服薬です。

 

もともとは喘息の薬ですが、
喘息とケロイドとの間で発症のメカニズムに
共通点があるため、使用されます。

 

傷跡を消し去る効果は乏しいですが、
かゆみを抑える事に関しては優秀で、
副作用もほとんどありません。

 

このように、粉瘤の手術跡に
ケロイドが出来る可能性があるのです。

 

もしできてしまった場合は、
早めに病院で治療を受けて下さいね!

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